ポリフッ化ビニリデン(PVDF)

フジワラケミカルエンジニアリングは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の高機能性を活かし、耐熱性や耐薬品性が求められる産業装置筐体用の精密な部品製造を得意としています。特に、半導体業界向けのプラスチック溶接技術で高い評価を得ており、ISO9001認証の品質管理体制のもと、小ロットからのオーダーメイド加工にも対応しています。

最高の強度と耐熱性に優れたポリフッ化ビニリデン

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)一般産業機械部品

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、優れた耐薬品性や耐熱性を備えた高機能樹脂で、化学工業や電気・電子産業など多くの分野で使用されています。その優れた特性は、特に過酷な環境下での使用に適しており、強酸や強塩基にも耐えることができます。また、紫外線や酸化に対する高い耐性に加えて、電気絶縁性や機械的強度も備えているため、幅広い用途で信頼されている材料です。

フジワラケミカルエンジニアリングでは、このPVDFの特性を活かした精密な構造物の製造を行なっています。特に、当社はプラスチックの精密溶接技術において業界で高い評価を得ており、130℃まで対応可能なPVDFの優れた耐熱性を活かし、半導体洗浄装置の高温槽などを精密溶接で製造しています。化学的な耐久性が求められる環境下でも安定した性能を発揮する製品を提供しています。

フジワラケミカルエンジニアリングでは耐薬品性や耐熱性に適したPVDFで、お客様の要望に応える最高のソリューションを提供しています。

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の一般的な特徴

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、耐薬品性と耐熱性に優れた高機能樹脂です。約1.78 g/cm³の密度と約170°Cの融点を有し、高温環境でも安定して使用できることが特徴です。強酸、強塩基、溶剤に対して優れた耐性を持ち、紫外線や酸化にも強く、長期の耐候性が期待できます。優れた電気絶縁性や引張強度もあり、半透明の外観を持つため、多岐にわたる加工が可能です。用途としては、電気絶縁材料や化学薬品の管、膜、フィルターなどが挙げられます。

特徴説明
密度耐薬品性、耐約 1.78 g/cm³
融点約 170°C
耐熱性高い(約 130°C)
耐薬品性強酸、強塩基、溶剤に対して優れた耐性を持つ
電気絶縁性優れた電気絶縁性
耐候性紫外線や酸化に対して高い耐性を持つ
機械的強度良好(特に引張強度が高い)
透明性半透明
加工性熱成形、押出成形、射出成形などが可能
用途電気絶縁材料、化学薬品の管、膜、フィルター 等
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の一般的な特徴

【参考】ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の使用上の注意

注意点概要
高温下での使用高温での長期間使用は劣化を引き起こす可能性がある。一般的に150°C以上の温度での使用は避けるべき。
耐薬品性強酸や強塩基と長時間接触する場合、化学反応や劣化が発生する可能性がある。使用する薬品の互換性を確認することが重要。
紫外線の影響長期間の直射日光や紫外線に曝露されると、素材が劣化する可能性がある。適切な保護やコーティングが必要。
加工温度の管理加工時に過度な温度を使用すると、PVDFが分解する恐れがある。指定された加工温度を守ること。
機械的ストレス硬い衝撃や過剰な機械的ストレスにより、割れやひびが入る可能性がある。適切な取り扱いや設計が重要。
燃焼時の毒性PVDFは燃焼すると有害なガス(フルオロ化物)を発生する可能性があるため、火気の近くでの使用や高温環境での取り扱いには注意が必要。
保管方法湿度や高温から保護された乾燥した環境で保管することが推奨される。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の使用上の注意

当社使用材料のポリフッ化ビニリデン(PVDF)

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、高い耐薬品性と優れた物性を持つ高機能樹脂です。耐熱温度は100〜130℃で、吸水性は0.03%と非常に低く、湿気による影響をほとんど受けません。特に耐酸性と耐アルカリ性に優れており、様々な厳しい化学環境でも安定した性能を発揮します。また、耐溶剤性も良好で、多様な用途に対応できる材料です。このため、PVDFは過酷な条件下での使用が求められる製品や部品に最適です。

項目
耐熱温度(℃)100〜130
吸水性(%)0.03
耐酸性
耐アルカリ性
耐溶剤性
コスト
当社使用材料のポリフッ化ビニリデン(PVDF)

出典:「タキロン工業用材料 物性と設計」タキロン株式会社

プラスチック素材の耐熱温度とコスト

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)耐熱温度とコスト表

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の産業別用途

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、スーパーエンプラとして優れた耐薬品性、耐熱性、絶縁性を持ち、化学工業のパイプやタンク、電気・電子の絶縁材料やケーブル被覆、建築の防水膜や外壁パネル、医療のフィルターやチューブなど、幅広い分野で活用されています。また、食品・飲料、エネルギー、環境保護、航空宇宙分野でも重要な役割を担っています。

使用産業使用例
化学装置産業化学薬品のパイプライン、タンク、反応器などの耐薬品性部品
電気・電子産業電気絶縁材料、ケーブル被覆、センサー、アクチュエーター 等
建材・住宅設備産業防水膜、屋根材、外壁パネル、内装材 等
医療機器産業医療機器の部品、フィルター、チューブ 等
食品加工機械産業食品加工装置の部品、飲料用管、フィルター 等
エネルギー産業石油・ガス産業の耐薬品性パイプ、バルブ 等
環境産業水処理フィルター、廃水処理設備、環境保護関連装置
航空宇宙産業航空機部品、耐熱部品、絶縁材料 等
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の産業別用途

フジワラケミカルエンジニアリングの加工技術

フジワラケミカルエンジニアリングでは、スーパーエンプラの中では数少ない精密溶接ができるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いて、半導体洗浄装置の高温槽を製造しています。洗浄装置の筐体には加工しやすく安価なポリ塩化ビニル(PVC)を使用。高温槽や廃液ダクト、ブラケット等は最高の強度と耐熱性に優れたPVDFで製造し、筐体に組み込みことも可能です。

このように、当社の一貫生産体制は、特殊な要件に対応したカスタム部品や筐体の製造を可能にし、今後もさらなる技術革新を追求していきます。

筐体製造技術

プラスチック溶接ライニング

筐体の金属フレームをプラスチックで覆い一体化することで、金属材料だけでは満たすことができない耐薬品性や耐腐食性などの機能を付与するプラスチック溶接ライニング。6mを超える大型パーツを組み上げ、精密溶接ができる企業は全国でも少数です。

プラスチック溶接ライニング(PVC巻加工)

高精度・高水密の溶接

プラスチック溶接は、大型化・複雑化するほど精度を出すことが難しい技術ですが、フジワラケミカルエンジニアリングでは1mの誤差も許さない高い精度での溶接が可能です。また、その接合部は強固で、液体や化学薬品の漏れを防ぐ高水密性を実現します。

プラスチック溶接加工

オーダーメイド

プラスチックの機械加工と精密溶接の高い技術により、お客様のイメージや要望・要求に合った装置筐体や立体構造物をオーダーメイドで製造しています。豊富な知識と経験をベースに、簡単な組立イメージ図からでも部品図面を展開し、製品化することができます。

組立図面

一貫生産体制

仕様検討からはじまり、プラスチック素材の切削加工、曲げ加工、組立、溶接までの一貫生産体制を構築。装置筐体に内蔵する水密部品や可視性部品、インサートなどを合わせて製造できるため、精密機器との高い嵌合精度を実現します。

大型装置筐体組立出荷検査

テスト機にも対応

大型化・複雑化が進む製造装置に対して、新たな装置筐体を開発する際のテスト機一台にも対応します。開発のパートナーとしてより精度の高い筐体製作の提案を目指します。

大型装置筐体テスト機

部品製造技術

高精度の部品加工

金属加工用の加工機械を用いることで、0.1 mm単位の精密な切削加工を実現しています。複雑形状にも対応できる機械設備やCAD/CAMを揃え、高精度が要求される部品を製造しています。

CAD

精密溶接による部品製造

装置筐体に組み込む洗浄浴槽をはじめ、高温槽、薬液供給タンクやダクトなどの部品製造は、高精度・高水密であることが絶対条件です。それを可能にするのが切削加工したプラスチックを強固に接合するプラスチック精密溶接技術です。

半導体洗浄装置

徹底した品質管理

半導体製造装置業界で求められる厳密な品質基準をクリアした生産体制のもと、素材ごとの加工・仕上げ方法から検査方法に至るまで、ISO9001:2015に準拠した品質管理を徹底しています。

部品寸法検査

小ロット対応

多品種少量生産の体制を強みに、切削加工部品の小ロット対応はもちろん、今までにない新しい部品を作るオーダーメイドや細かなカスタマイズなど臨機応変に対応。お客様の要望・要求に応えた部品を提供しています。

小ロット出荷検査

加工例

よくあるご質問

公差はどれくらい対応可能ですか?

最大±0.1 mmまで対応可能です。詳細はお問い合わせください。

溶接スキルは担保されていますか?

はい。スキルマップによる技術者のスキル管理を実施しています。

プラスチック溶接資格者はいますか?

プラスチック溶接技術者が30名以上在籍しております。

1個からでも対応してもらえますか?

お見積りさせていただき、納期・価格に問題が無ければ対応させていただきます。

検討したい図面があるのですが、打ち合わせは可能でしょうか?

はい。ご依頼をいただけば訪問し、面談させていただきます。また、オンラインでの面談も対応しております。