半導体産業における高濃度オゾン利用と材料技術:洗浄性能を支える配管用プラスチック
半導体産業では、製品の微細化・高集積化が進むにつれ、洗浄工程に求められる水準も年々高くなっています。
わずかな有機汚れや残渣であっても、製品性能や歩留まりに影響するため、洗浄工程は製造品質を左右する重要な工程の一つです。
こうした背景の中で、洗浄手段として高濃度オゾンが用いられています。
特に、オゾンを水に溶かした「オゾン水」は、有機物を効率よく分解できる方法として、半導体分野で実際に使用されています。
本コラムでは、半導体産業で使われている高濃度オゾンを前提に、そのオゾンを装置内で扱うための配管材料としてのプラスチックに着目し、なぜ特定の材料が選ばれているのか、その考え方を分かりやすく解説します。
半導体産業で言う「高濃度オゾン」とは
オゾンは脱臭や殺菌など、さまざまな分野で使われていますが、半導体産業で使われるオゾンは、濃度の考え方が異なります。
本コラムでは、半導体分野での実使用例を踏まえ、オゾン水としておおよそ50~200ppm程度の濃度を「高濃度オゾン」と定義します。
この濃度帯では、洗浄効果を明確に狙っており、連続運転または長時間使用されるため、材料への影響が無視できなくなります。つまり、単に「汚れが落ちるかどうか」ではなく、装置材料を含めた長期安定性が問われる領域が、この高濃度オゾンです。
- 半導体分野での高濃度オゾン水は50~200ppm程度
- 洗浄効果を明確に狙っている
- 連続運転、または長時間使用される
- 材料への影響が無視できなくなる
なぜ半導体産業で高濃度オゾンが必要なのか
半導体製造工程における洗浄の目的は非常に明確です。それは、「確実に汚れを落とすこと」と「その結果を毎回同じように再現すること」です。
従来の薬液洗浄では、薬液管理の手間、排水処理の負担、環境面での制約といった課題がありました。
これに対して高濃度オゾン水を使うことで、有機物を短時間で分解でき、洗浄ムラを抑えやすく、洗浄結果のばらつきを減らせるといった効果が期待できます。この「洗浄性能」と「再現性」を両立できる点が、半導体産業で高濃度オゾンが使われている大きな理由です。
- 従来の薬液洗浄には薬液管理、排水処理、環境面での課題があった
- 高濃度オゾン水は有機物を短時間で分解できる
- 洗浄ムラを抑えやすい
- 洗浄結果のばらつきを減らせる
- 洗浄性能と再現性の両立が可能
高濃度オゾンが装置材料に与える影響
オゾンは、汚れを分解する一方で、装置材料にも作用します。
特に高濃度で、しかも連続して使用される条件では、その影響は徐々に蓄積します。
高濃度オゾン環境では、材料の表面状態が少しずつ変化し、材料の性質が時間とともに変わり、弱い部分から影響が出やすいといった現象が起こりやすくなります。
ここで重要なのは、「すぐに壊れるかどうか」ではなく、「長期間使ったときに性質が変わらないか」という視点です。半導体装置では、短期間問題なく使えることよりも、長く安定した状態を維持できることが重視されます。
- 材料の表面状態が少しずつ変化する
- 材料の性質が時間とともに変わる
- 弱い部分から影響が出やすい
- 重要なのは「すぐに壊れるか」ではなく「長期間使っても性質が変わらないか」
高濃度オゾン配管に求められる材料の考え方
高濃度オゾンを扱う配管材料には、オゾンと反応しにくく、表面状態が安定しており、長期間使っても性質が変わりにくいという条件が求められます。
言い換えると、「強い材料」よりも「変わらない材料」が評価されます。
なぜなら、材料の性質がわずかに変化するだけでも、流量の変化、異物の発生、洗浄性能のばらつきにつながる可能性があるためです。
このような理由から、高濃度オゾン配管では、長期的な安定性を持つ材料が選ばれることになります。
フジワラケミカルエンジニアリングでは、半導体産業向けの高濃度オゾン対応配管材料について、豊富な知見と実績を持っています。
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半導体分野で使われる耐高濃度オゾンプラスチック
高濃度オゾン配管で多く使われているのが、フッ素系樹脂です。
代表的なものとして、PTFE、PFA、PVDFなどが挙げられます。
フッ素系樹脂の特徴を分かりやすく言うと、化学的に変化しにくく、表面状態が安定しており、長時間使っても性質が変わりにくいという点にあります。
オゾンに「強い」というより、オゾンの影響を受けにくい材料と考えると理解しやすいでしょう。
そのため、半導体分野では、高濃度、連続使用、高い再現性が求められる配管材料として、フッ素系樹脂が選ばれています。
- 代表的なフッ素系樹脂:PTFE、PFA、PVDF
- 化学的に変化しにくい
- 表面状態が安定している
- 長時間使っても性質が変わりにくい
- オゾンに「強い」のではなく、オゾンの影響を受けにくい
なぜフッ素系樹脂の代替が難しいのか
コスト低減や調達の観点から、フッ素系樹脂以外の材料を検討したい場面もあります。
しかし、高濃度オゾン配管では、材料のわずかな違いが長期的な差になり、使用条件の違いによる影響が出やすく、長期安定性の評価が難しいといった理由から、代替は簡単ではありません。
フッ素系樹脂は万能ではありませんが、高濃度オゾン環境で「変わりにくい」ことが評価されてきた材料です。
その結果として、検討を重ねたうえで、最終的にフッ素系樹脂が選ばれるケースが多くなっています。
- 材料のわずかな違いが長期的な差になる
- 使用条件の違いによる影響が出やすい
- 長期安定性の評価が難しい
- フッ素系樹脂は「変わりにくい」ことが評価されてきた
おわりに
半導体産業で使われる高濃度オゾンは、洗浄性能と工程の再現性を支える重要な技術です。
その高濃度オゾンを安定して扱うためには、配管材料としてのプラスチック選定が欠かせません。
材料名だけを見るのではなく、どの濃度で、どのくらいの時間、どのような安定性が求められるのかという使われ方を整理することで、なぜフッ素系樹脂が選ばれているのかが見えてきます。
まとめ:コラムの振り返りと重要ポイント
本コラムでは、半導体産業における高濃度オゾンと配管材料について解説してきました。
以下、全体を振り返り、重要なポイントを整理します。
- 半導体分野では50~200ppm程度のオゾン水を指す
- 洗浄効果を狙った連続運転・長時間使用が前提
- 材料への長期的な影響を考慮する必要がある領域
- 従来の薬液洗浄の課題(管理の手間、排水処理、環境制約)を解決
- 有機物の短時間分解、洗浄ムラの抑制、結果のばらつき低減が可能
- 洗浄性能と再現性の両立という半導体製造の要求に応える
- 「強い材料」ではなく「変わらない材料」を選ぶ
- 短期的な耐久性より長期的な安定性が重要
- わずかな材料変化が製造工程全体に影響する可能性がある
- 化学的変化が起こりにくく、表面状態が安定している
- 長時間使用しても性質が変わりにくい
- 高濃度・連続使用・高再現性という厳しい条件に適合
- 代替材料の検討は可能だが、長期安定性の評価が難しい
- 材料名や仕様だけでなく、使用条件(濃度、時間、求められる安定性)を整理する
- 実際の使われ方から逆算して材料を評価する
- 長期的な視点での材料評価が製造品質の安定につながる
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