熱風溶接(ホットジェット溶接)の技術解説:原理・条件設定・品質管理の基礎知識
── 熱可塑性樹脂の溶接原理・4パラメータの相互関係・素材別条件・継ぎ足し技術・安全管理まで網羅
「設定温度を変えたら品質が安定しなくなった」
「素材を変えたら同じ条件では溶接できなかった」
「継ぎ足し部でリークが出る原因がわからない」
熱風溶接で品質問題が起きるとき、多くの場合はパラメータの意味と相互関係が整理されていないことが原因です。
本コラムでは、以下の5点を体系的に解説します。
- 熱可塑性樹脂が溶接できる原理とプロセス
- 温度・速度・押し圧・熱風流量の定義と相互関係
- PVC・PP・PVDF等の素材別の条件設定の考え方
- 溶接棒の選択と継ぎ足し技術のポイント
- 試験溶接・環境管理・安全対策の基準
本コラムは大きく2部構成です。
前半では、溶接品質を決める4つの変数(温度・速度・押し圧・熱風流量)を1つずつ整理します。
後半では、その4変数を実際の施工でどう再現し、検証し、安全に運用するかを解説します。
工法の選択基準(溶接か接着か、どの素材にどの工法か)については、プラスチック溶接の工法選択と現場の注意点で解説しています。
本コラムは熱風溶接の技術内容に特化した解説です。
それぞれのポイントを順に解説します。
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熱風溶接の原理:熱可塑性樹脂が溶接できる理由
熱風溶接(ホットジェット溶接)とは、専用機の熱風で母材と溶接棒を同時に溶かし接合する工法です。
この工法が成立する背景には、対象素材が持つ「熱可塑性」という性質があります。
プラスチックには大きく2種類あります。
「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」です。
熱可塑性樹脂(PVC・PP・PVDF・PMP・PE等)は、加熱すると分子鎖の絡み合いが緩んで軟化・溶融します。
冷却すると再び固化し、この可逆的な変化を何度でも繰り返せます。
この性質があるからこそ、熱風溶接によって母材と溶接棒を一体化できます。
熱風溶接では、この性質を次のように利用します。
ホットジェットガンのノズルから高温の熱風を接合部の母材表面と溶接棒の先端に同時に当てます。
両方が溶融状態になったタイミングで溶接棒を母材に押しあてます。
冷却が進むと、母材と溶接棒の溶融した樹脂が一体化して固化します。
このプロセスが接合の本質です。

熱風溶接(ホットジェット溶接)におけるポリ塩化ビニル板の標準溶接条件
重要なのは「接着」ではなく「一体化」であるという点です。
適切に溶接された部位では母材と溶接棒の境界が消え、樹脂が均一に融合した状態になります。
この融合の深さと均一性が、接合強度と水密性を決定します。
プラスチック溶接では「温度・押し圧・速度」の3パラメータの連携が溶接品質を決めるとされています(※1)。
一つが外れると、融合の均一性が崩れます。
熱硬化性樹脂(エポキシ・フェノール・メラミン等)は化学反応で硬化した後は再溶融しないため、熱風溶接の対象外です。
素材名が確認できれば熱可塑性か熱硬化性かを即座に判断できます。
以上の原理を踏まえたうえで、次節から具体的なパラメータの役割を解説します。
熱風溶接ではこの3変数に加え、熱風流量の調整も実務上欠かせない要素です。
※1 Leister Technologies AG「myAcademy ノウハウ プラスチック加工」
https://www.leister.com/ja/Services/myAcademy/Know-How-PlastFab
溶接品質を決める4つのパラメータとその相互関係
熱風溶接の品質は温度・速度・押し圧・熱風流量の4変数で決まり、互いに連動します。
このうち温度・速度・押し圧の3つは、プラスチック溶接全般で品質を左右するとされる基本要素です(前掲※1)。
熱風溶接ではこれに熱風流量が加わり、4変数が相互に連動する系として品質を左右します。
以下で各変数の役割を整理します。
- 溶接温度:ノズルから吹き出す熱風の温度です。母材と溶接棒が溶融するかどうかを決定する最も基本的な変数で、素材の軟化・溶融温度に基づいて設定します。温度が高すぎると焦げ・変形が生じ、低すぎると溶融不足のまま冷却が進みます。
- 溶接速度:溶接棒を進める速さです。単位長さあたりの受熱時間を決定します。温度と速度の組み合わせが「単位長さあたりの受熱量」を決め、溶融の深さと均一性に影響します。温度を下げた場合は速度も落として受熱量を補う必要があります。
- 押し圧:溶接棒を母材に押し込む力です。溶融した樹脂が密着して気泡(ボイド)なく融合するために必要です。押し圧が不足すると接合面に空気が残り水密性が下がります。強すぎると溶融樹脂が横に押し出されて形状が崩れます。
- 熱風流量:単位時間に吹き出す熱風の量です。同じ温度設定でも流量が変わると母材への熱の伝わり方が変わります。流量が低いと局所的な溶融ムラが生じ、高すぎると必要以上に広い範囲が加熱されます。
4変数の相互依存を理解することが、素材変更・板厚変更・環境変化への対応を判断するための基礎です。
次節から各変数の設定の考え方に進みます。
① 溶接温度の設定:素材特性から考える適正温度帯
適正な溶接温度とは、焦げや変形を起こさず均一に溶融する温度帯で、素材によって幅が大きく異なります。
溶接温度が高すぎると素材が焦げ・変色し、周辺部に熱変形が生じます。
低すぎると溶融が浅くなり、外観では問題なく見えても断面で融合不足が確認されます。
接合後の水圧試験・リーク試験で問題が初めて発見されるケースがあります。
素材ごとの溶接温度の考え方を整理します。
現場での目安値として参考にしてください。
設備・ノズル形状・板厚・環境温度によって最適値が変わるため、以下はあくまで起点であり、試験溶接による確認が前提です。
| 素材 | 溶接熱風温度 | φ3シングル溶接速度 | 主な特徴と注意点 |
|---|---|---|---|
| 一般工業用PVC | 約280℃ | 25〜30cm/min | 条件の許容範囲が広く安定した施工がしやすい |
| 耐熱PVC(CPVC) | 約280℃ | 15〜17cm/min | PVCと同温度だが速度を落とし十分な溶融時間を確保する |
| PP(ポリプロピレン) | 約230℃ | 11cm/min | PVCより低温/変形・収縮の管理が重要 |
| PVDF | PVCより高め設定 | ─ | フッ素系のため換気・防毒マスクが必須 |
| PMP(ポリメチルペンテン) | 素材特性に応じて設定 | ─ | 透明樹脂/施工管理の難易度が高い |
| PE(ポリエチレン) | 素材グレードに応じて設定 | ─ | 押出溶接との組み合わせが有効 |
PVCとPPを比べると約50℃の温度差があります。
この差が溶融挙動・変形リスク・許容速度範囲を大きく変えます。
PVCで確立した条件をPPに流用することは避けてください。
PVCは温度変化によって物性が変わりやすい素材であり、溶接温度の設定でも他素材以上に慎重な管理が求められます。
PE(ポリエチレン)は素材グレードによって溶融特性の幅が広く、厚板では押出溶接との組み合わせが有効な場面もあります。
温度の設定が適切でも、実際の加熱状態が設定通りとは限りません。
試験溶接で温度と溶融状態の対応を確認し、素材を変更するたびに設定を見直すことが安定品質の基本になります。
② 溶接速度の設定:受熱量を左右する変数
溶接速度は単位長さあたりの受熱量を左右し、素材ごとに適正範囲が異なります。
速度が速すぎると単位長さの受熱量が不足して溶融が浅くなります。
外観では溶接されているように見えても断面で融合不足が確認されるケースがあります。
遅すぎると過加熱になり、素材の焦げ・変形が生じます。
PVCとPPでは同じ径の溶接棒でも適切な速度が異なり、PPはPVCより遅い速度設定が必要です。
素材を変えた際に速度をそのまま引き継ぐと、品質ばらつきの直接的な原因になります。
速度の適正範囲は素材・板厚・環境温度によっても変わるため、試験溶接での確認が前提です。
速度と押し圧は密接に関わっており、両方をあわせて管理することが欠かせません。
③ 押し圧の設定:密着性を左右する変数
押し圧は溶融樹脂の密着度を左右し、強すぎても弱すぎても品質が低下します。
押し圧が弱すぎると溶融樹脂が密着せず、接合面に空気(ボイド)が残ります。
この空気の残留が漏れの起点になります。
強すぎると溶融樹脂が横に押し出されてビード形状が崩れます。
溶接棒径が大きいほど必要な押し圧も大きくなります。
同じ素材でもφ2mmとφ4mmでは適正な押し圧が異なるため、溶接棒径を変更する際は押し圧の見直しも必要です。
ポリ塩化ビニル(PVC)を例に、溶接棒形状ごとの押し圧・速度の目安値を示します。
| 溶接棒形状 | 押し圧 | 溶接速度 |
|---|---|---|
| 2mmシングル | 2〜4N(約0.2〜0.4kgf) | 22〜30cm/min |
| 3mmシングル | 4〜6N(約0.4〜0.6kgf) | 15〜23cm/min |
| 3mmダブル | 6〜8N(約0.6〜0.8kgf) | 17〜25cm/min |
| 4mmシングル | 9〜11N(約0.9〜1.1kgf) | 13〜21cm/min |
速度と押し圧を組み合わせた管理が施工品質を左右します。
試験溶接でビード断面を切り出して融合状態を確認し、施工条件を記録しておくことで、次回以降の再現性が高まります。
四つ目の変数である熱風流量も、これらと同様に施工前の確認が欠かせません。
④熱風流量の設定:角度・変圧器との関係
熱風流量は単位時間に吹き出す熱風の量を指し、ノズル角度や変圧器設定と合わせて溶融の均一性を左右します。
熱風流量は設備仕様の確認が先決です。
圧縮空気圧力はホースの内径・長さ・分岐の有無によって実際の流量が設定値から変わります。
新しい設備を使用する前、または配管系統を変更した後は実流量の確認を行うことが安定施工の前提です。
流量を正しく届けるには、ノズルの角度と変圧器の設定も欠かせません。
以下に設定基準を整理します。
| パラメータ | 推奨値・設定目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 熱風の角度 | 45〜60度 | 母材と溶接棒の両方に熱が当たる角度帯 |
| 圧縮空気圧力(PVC溶接目安) | 30〜80 kPa | ホース内径・長さ・分岐数で実流量が変わる |
| 変圧器電圧(PVC溶接目安) | 90〜97 V | 素材に応じて微調整 |
熱風の角度は均一な加熱の基本条件です。
45〜60度の角度帯では母材表面と溶接棒の先端の両方に効果的に熱が当たります。
浅い角度では母材表面への熱量が不足し、急角度では局所的な過加熱になります。
施工中にノズルの角度が変動しないよう、安定した姿勢を維持することが重要です。

ガンの保持角度

ガンの操作
変圧器の電圧は熱風温度の微調整手段です。
温度計の示す値と実際の溶融状態に差がある場合、電圧設定の見直しが有効なことがあります。
熱風流量・角度・変圧器電圧は一体で確認し、素材が変わるたびに設定の整合性を確認します。
これで4つの変数がすべて出そろいました。
ただし、この4変数を適正に設定するだけでは、高品質な溶接は完成しません。
溶接棒の選び方や継ぎ足し部の処理、試験溶接による事前検証、安全管理という3つの実務ポイントが必要です。
これらが伴って初めて、パラメータの設定値が実際の接合品質に結びつきます。
溶接棒の種類と継ぎ足し技術
溶接棒の選択ミスと継ぎ足し部の処理不良は、接合強度・耐薬品性・水密性を直接損ないます。
まず溶接棒そのものの選び方を整理し、そのうえで継ぎ足し部の管理ポイントを見ていきます。
溶接棒の選択原則
溶接棒の選定は素材の一致と径のバランスで品質が決まります。
溶接棒は母材と同一素材のものを使用することが基本です。
PVC母材にはPVC溶接棒、PPにはPP溶接棒を組み合わせます。
異素材の溶接棒を使用すると接合部の融合性が低下し、強度・耐薬品性が母材本来の特性を下回ります。
径は要求強度と作業性で選択します。
太い溶接棒は1パスの溶接量が多く施工速度が上がりますが、均一な加熱制御が難しくなります。
細い溶接棒は条件管理しやすい反面、必要な溶接量に達するまでのパス数が増えます。
継ぎ足し技術のポイント
継ぎ足し部の位置と手順を誤ると、応力集中や温度不足からリークにつながります。
溶接棒は一般的に1m程度の長さです。
長い接合ラインでは複数本を継ぎ足して施工します。
継ぎ足し部の処理が品質のポイントになります。
- 継ぎ足し位置は直線部の中央とし、角部を避ける:角部は形状的に応力が集中する部位です。継ぎ足し部のピンホールが応力集中部と重なると、そこから漏れ・破損が起きるリスクが上がります。継ぎ足し位置をラインの中央付近に設定することがリスク低減の基本です。
- 前の溶接棒の仕舞いを丁寧に仕上げてから継ぐ:終端部が盛り上がった状態で次の溶接棒を継ぐと段差が残ります。この段差が応力集中の起点になります。終端を適切に処理してから継ぎ足します。
- 複数パスでは継ぎ足し位置をずらす:二重・三重溶接の場合、各パスの継ぎ足し箇所を同一位置に重ねると応力が一点に集中します。パスごとに継ぎ足し位置をずらして応力を分散させます。
- 継ぎ足し直後の温度管理を維持する:前の溶接棒の終端が冷えた後に継ぎ足すと、接合部の溶融が不十分になります。温度を維持したまま作業を続け、継ぎ目の融合を確実にします。

溶接棒足し部

溶接棒の継ぎ足し
継ぎ足し部では応力が偏りやすいため、下記のように応力集中を防ぐための対策も不可欠です。

タンク・ダクトの溶接例(1)

タンク・ダクトの溶接例(2)

補強の溶接
継ぎ足し部でリークが発生した場合、多くは位置選択(角部での継ぎ足し)か温度管理(継ぎ足し時の温度低下)に原因があります。
施工記録が残っていると、どちらが原因かの特定が早まります。
選定した溶接棒と継ぎ足し手順が実際に機能するかは、本施工前の試験溶接で検証します。
施工前の準備:試験溶接と環境管理
試験溶接は素材・板厚・環境が変わるたびに実施すべき、安定品質の基本となる確認プロセスです。
試験溶接の進め方と、あわせて管理すべき環境要因の2点を順に見ていきます。
試験溶接の手順と確認項目
試験溶接では外観と断面の両方を確認し、本施工前に融合状態を検証します。
本施工前に使用素材・板厚・溶接棒径の組み合わせで試験溶接を実施します。
確認する項目は2段階です。
- 外観確認:溶接ビードの均一性、焦げ・変色の有無、気泡(ボイド)の有無、段差・凹凸の有無を確認します。外観が均一でも断面確認が必要であり、外観確認だけで完成とするのは避けてください。
- 断面確認:試験溶接の断面を切り出して融合の深さ・ボイドの有無を確認します。外観では問題なく見えても断面で融合不足が見つかることがあります。この断面確認を省略すると、本施工後のリーク試験まで問題が発見できない場合があります。
試験溶接の結果と施工条件は記録として残します。
記録項目は素材名・グレード・板厚・溶接棒径・熱風温度・溶接速度・押し圧・変圧器設定・作業環境の気温・湿度です。
蓄積した記録があると、条件変化への対応と不具合原因の特定が迅速になります。
環境管理の基準
気温・湿度などの環境条件は季節で変わるため、定期的な確認が欠かせません。
| 環境要因 | 管理内容 |
|---|---|
| 気温 | 18〜22℃を目安に管理。気温が低いと母材の熱の逃げが速くなり溶融が浅くなる |
| 湿度 | 高湿度環境では素材表面の状態に注意。PVC接着剤を使用する工程では白濁リスクがある |
| 季節変化 | 夏場・冬場の切り替わり時に条件の再確認を実施する |
環境条件は季節で変わります。
夏場と冬場で同じ設定条件でも実際の溶融状態が異なることがあります。
季節の変わり目に試験溶接を実施して条件を再確認する運用が、安定品質の維持につながります。
パラメータや環境の管理と並行して欠かせないのが、素材特性に応じた安全管理です。
安全管理:素材別の対応と重要事項
熱風溶接の安全リスクは素材で大きく異なり、フッ素系樹脂(PVDF等)は有害ガス対策が必須です。
| 対象 | 主なリスク | 必要な対策 |
|---|---|---|
| PVC・PP等の一般溶接 | 熱風による熱傷、樹脂からの軽微な煙 | 適切な作業姿勢、一般的な換気 |
| PVDF・PFA等フッ素系 | フッ化水素等の有害ガス発生の可能性 | 局所排気設備+フッ化水素対応防毒マスク(必須) |
| 溶剤接着の併用工程 | 有機溶剤の吸入・皮膚接触・引火 | 換気設備・保護手袋・火気管理 |
一般工業用PVC・PPの熱風溶接は、適切な姿勢管理と一般的な換気条件のもとで施工できます。
作業者への熱風の直接照射を避ける姿勢管理が基本対策です。
フッ素系樹脂(PVDF・PFA・PTFE等)の溶接は別次元の対応が必要です。
PVDFは樹脂温度が上昇すると分解し、フッ化水素(HF)をはじめとする有害ガスが発生します(※2)。
フッ化水素は吸引すると呼吸器・粘膜に重篤なダメージを与えます。
局所排気設備とフッ化水素対応フィルター付き防毒マスクの着用は絶対に省略できません。
安全設備が整っていない環境でのフッ素系樹脂溶接は実施しないことが前提です。
安全管理の要件は施工計画の段階から確認し、設備・保護具の準備を本施工前に完了させることが重要です。
※2 株式会社クレハ「KFポリマー 技術資料」
https://www.kureha.co.jp/business/material/pdf/KFpolymer_jp.pdf
まとめ
熱風溶接の品質は4つのパラメータの最適化と施工環境の管理の組み合わせで決まります。
主要な管理項目を整理します。
| 管理項目 | 適正状態 | 逸脱した場合の影響 |
|---|---|---|
| 溶接温度 | 素材の溶融温度帯に合致 | 高→焦げ・変形/低→融合不足 |
| 溶接速度 | 温度と組み合わせて受熱量を確保 | 速→融合不足/遅→過加熱・焦げ |
| 押し圧 | 溶接棒径に応じた適正値を均等維持 | 弱→ボイド・リーク/強→形状崩れ |
| 熱風角度・流量 | 45〜60度・適切な流量で均一加熱 | 不適切→溶融ムラ・局所加熱 |
| 継ぎ足し位置 | 直線部中央・角部を避ける | 角部継ぎ足し→ピンホール・リーク |
| 環境温度 | 18〜22℃を目安に管理 | 季節変化で条件がずれる |
安定品質の長期維持には、パラメータ設定を固定しないことが重要です。
「素材・環境が変わったら試験溶接で確認し直す」というプロセスを標準化してください。
施工条件の記録を蓄積することで、変化への対応と不具合時の原因特定が迅速になります。
押出溶接と熱風溶接を組み合わせることで、単独工法では難しい厚板・大型構造物での高品質な施工が実現できます。
詳細は押出溶接と熱風溶接の融合技術をご参照ください。
よくあるご質問
PVCとPPで溶接機の切り替えは必要ですか?
同一設備でPVCとPPの両方に対応できます。ただし温度・速度・変圧器設定を素材ごとに変更する必要があります。PVCの設定のままPPを溶接すると過加熱による変形が生じます。素材を変更するたびに試験溶接で条件を確認し、設定変更後の施工品質を検証することが前提です。
溶接部のボイド(気泡)はなぜ発生し、どう防ぎますか?
主な原因は押し圧不足・溶融不足・素材の含水分の3つです。押し圧が弱いと溶融樹脂が密着せず空気が残ります。速度が速すぎると溶融が浅くなりボイドが残りやすくなります。吸湿した素材は乾燥してから使用することで改善する場合があります。発生した場合は該当箇所を削り取って補修溶接で対応します。
施工条件は記録する必要がありますか?
強く推奨します。記録がないと素材ロット変更・設備変更・季節変化で品質がばらついた際に原因特定が困難になります。素材名・グレード・板厚・溶接棒径・温度・速度・押し圧・変圧器設定・作業環境(気温・湿度)を記録しておくことが基本です。これにより、再現性の確保と不具合時の迅速な対応が可能になります。
熱風溶接と押出溶接はどう使い分けますか?
熱風溶接は細部・複雑形状・薄板から中板まで幅広く対応できる主力工法です。押出溶接は1パスの溶接量が多く、PE・PPの厚板を使った大型構造物で生産性が上がります。両者を組み合わせることで、厚板・大型構造物の品質と効率を同時に高めることができます。用途・板厚・生産量に応じた使い分けが最適です。
溶接後にリーク試験は必ず必要ですか?
水密性・気密性が求められる部品では必須です。外観確認だけでは融合不足やピンホールを発見できないケースがあります。水張り試験・加圧リーク試験を製作フローに組み込むことで、出荷後のトラブルを防ぐ最後の砦になります。試験条件(圧力・保持時間)は用途・素材・板厚に応じて設定します。
プラスチック溶接に関するご相談はこちら
フジワラケミカルエンジニアリングは、お客様の製品開発に伴走する技術パートナーです。
PVC・PP・PVDF等の熱風溶接から押出溶接まで幅広く手がけています。
- 「PVCやPPの溶接条件の設定方法から相談したい」
- 「PVDFやPMPの溶接に対応できるか確認したい」
- 「溶接部のリーク・品質ばらつきの原因を確認したい」
- 「初めて溶接部品を発注するが試験溶接から対応できる先を探している」
── そうしたご相談に、試験溶接・条件設定の段階からお答えしています。
PVC・PP・PVDF・PMPなどの熱可塑性樹脂の溶接を、試験溶接から本施工まで自社で一貫して行っています。ISO9001:2015の品質管理体制のもと、1個からの試作も承ります。
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